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手作り肌着 小さな赤ちゃんへ 早産経験からキット開発 栗原涼子さん(北谷町)


手作り肌着 小さな赤ちゃんへ 早産経験からキット開発 栗原涼子さん(北谷町) 完成した肌着(左)と手縫いキット(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 嶋岡 すみれ

 予定より早く生まれてきた赤ちゃんに、肌着を贈ろう―。北谷町の栗原涼子さん(45)が、このほど体重2500グラム未満で生まれた低出生体重児の肌着と手縫いキットの販売を始めた。自身も8年前に体重676グラムで長男を出産。「小さく産んでしまった」と自分を責めた。小さく生まれた赤ちゃんに合うサイズの洋服は量販店で手に入らず「通常の出産じゃない」と言われているような気持ちになった。そうした自身の経験から、赤ちゃんに合った洋服を手作りしたり、プレゼントしたりすることで「少しでもママたちの気持ちが軽くなれば」と願いを込める。

 栗原さんの長男(8)は2015年、妊娠24週2日で生まれた。順調に妊娠経過が進んでいた中での突然の出産。罪悪感でいっぱいになった。懸命に治療に耐える長男に母乳を届けようと搾乳しても思うように出ず、「何もしてあげられない」と無力感にさいなまれた。

 長男は生後3カ月、体重2426グラムで退院した。退院の日、新生児用のサイズとされる50センチの洋服を着せると、ぶかぶか。何重にも袖をまくり、肩周りははだけた。やっと一緒に家に帰れる特別な日に、一般的な体重で生まれた赤ちゃんとの差を感じざるを得なかった。

 ようやくそうした過去を冷静に振り返られるようになったのは、長男が小学校に入学した頃。自分の経験を役立てようと、得意な裁縫を生かして小さく生まれた赤ちゃんに合わせた肌着を作ろうと決めた。

完成した肌着を持つ栗原涼子さん=6月、北谷町
ぶかぶかの肌着を着た栗原さんの長男(提供)

 裁縫教室に通い始め、オリジナル型紙を販売している「THE PATTERN」(うるま市)の協力を仰ぎ、何度も試作を繰り返した。

 当初は県内の新生児集中治療室(NICU)のある病院にボランティアとして約40着寄贈した。その後、より多くの人に届くようにと2023年12月に「Angelin(エンジェリン)」を設立。お金をもらうことに迷いもあったが「子どもに合ったかわいい洋服を着せるのはママたちの楽しみでもある。その楽しみを小さく生まれた赤ちゃんのママたちにも感じてほしい」と決断した。

 現在はインターネットで販売している。商品展開は(1)30センチサイズの完成品の肌着(税込2200円)、(2)肌着の手縫いキット(同1600円)、(3)完成品と手縫いキットのセット(同3300円)。手縫いキットにはカット済みの生地、型紙、練習用の端切れなどがついており、購入者は針と糸だけ用意すれば肌着が完成する。全制作工程を解説した動画も用意している。

 栗原さんは「赤ちゃんのために何かしてあげたいと思ったときの選択肢は、多ければ多いほどいいと思う。そのうちの一つになれば」と語った。

 問い合わせはメールbabylove.ryokok@gmail.com

 (嶋岡すみれ)