名護市辺野古の新基地建設に使う土砂を搬出する同市の安和桟橋で19日、新基地建設工事の中止を求める抗議集会が開かれた。市民約30人が参加し、6月28日に同桟橋で発生した死傷事故に対する見解をリレートークし、工事中止を訴えた。
安和桟橋で抗議をする井浦みつるさん(72)は「今回の事故は防衛局と国のやり方が引き起こした。人間よりも工事を優先する姿勢が人の命を奪う事故を起こしてしまった」と工事を推進する国の姿勢を批判した。
事故後、抗議市民らへの批判が強まったことに井浦さんは、抗議を弾圧するために事故が利用されているとして「県民投票などをしても聞いてもらえなかった。私たちに残されたのは現場で訴えることだ。事故を利用させてはいけない。新基地工事はここでやめさせたい」と語気を強めた。
集会で司会を務めた原田みき子さん(75)は、20日にも大浦湾側の本体工事が始まる可能性があることに「世界的に残さなければいけない貴重な場所だ。それを完成のめども立たず、工法も確立しないような工事で壊すのは愚かすぎる」と強く批判した。
(金城大樹)