有料

32軍司令部壕、一般公開に向け初会合 第2・3・5坑道 落石など防ぐ安全対策を 沖縄 


32軍司令部壕、一般公開に向け初会合 第2・3・5坑道 落石など防ぐ安全対策を 沖縄  首里城地下の第32軍司令部壕内。第2坑道と第3坑道が交差する場所。日本軍は撤退時に付近を爆破した(代表撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 中村 万里子

 県は20日、第32軍司令部壕保存・公開基本計画検討委員会の「平和発信・継承検討グループ」の初会合を那覇市の首里城公園内の首里杜館で開いた。県によると、現存する第2・3・5坑道の一般公開に向け、県内外の類似施設を参考に安全対策などを話し合ったという。技術検討グループの意見も踏まえ、基本計画の素案を作成し、11月には全体の検討委員会で素案が示される予定。

 県平和・地域外交推進課によると、会合では、▽県内の旧海軍司令部壕▽沖縄陸軍病院南風原壕▽糸数アブチラガマ▽八重瀬ヌヌマチガマに加え、▽東京都の市ヶ谷台大本営地下壕▽千葉県の赤山地下壕▽長野県の松代象山地下壕の事例が紹介された。象山地下壕を除き、公開範囲は約70~300メートル前後、出入り口は2カ所以上確保されていること、入場料などを維持費用に充てていることなどが示された。

 一方、32軍壕の第2・3・5坑道は落石や落盤に加え、中央部が土砂でふさがっているため、酸欠が生じやすく、大雨で水がたまることや、出入口が1カ所のみといった課題が示された。現状では一般公開できる状態ではないため、落盤や落石などを防ぐ安全対策などを話し合った。会合は非公開で行われた。 

(中村万里子)