戦争体験者が減少する中、那覇市の親川トミさん(84)=那覇市=は自身が体験した10・10空襲などについての証言を残したいと考えて琉球新報に情報提供し、連載「未来に伝える沖縄戦」の取材を受けた。きっかけは、那覇市役所のソファに座っていた時に、同年代の女性と沖縄戦について話していた際、偶然居合わせた市職員が琉球新報への情報提供を勧めたことだった。親川さんは「私の体験を生かし、平和な沖縄にしてほしい」と願う。
(親川さんの証言を紹介した「未来に伝える沖縄戦」)
6月初旬、親川さんは那覇市役所を訪れ、用事を済ませる前にソファで昼食を取った。そこで偶然、同じく沖縄戦を体験した初対面の女性と出会い、互いの戦争体験や戦後の生活が話題になった。そこに、休憩中の管財課職員の長阪瑠美子さん(66)も居合わせた。以前から沖縄戦に関心があった長阪さんは、2人の戦争体験について質問し、聞き入った。
親川さんは後日、自身の戦争体験を改めて記録に残したいと考え、長阪さんを通じて琉球新報に連絡し、取材を受けることになった。
長阪さんは、ガマで全身にやけどを負ったとみられる少女を目撃した親川さんの証言を聞き「戦争は生き地獄で、人を狂わせる」と感じたという。
琉球新報は沖縄戦に関する証言や話題を募っている。問い合わせは統合編集局暮らし報道グループ、電話098(865)5158。
(狩俣悠喜)