県病院事業局は27日、県立南部医療センター・こども医療センターと県立精和病院で、個人情報の漏えいの恐れがある事案が相次いだことを県庁で発表し、本竹秀光病院事業局長らが「患者の皆さまに不安な思いをさせてしまうこととなり、深くおわびします」と謝罪した。
発表によると、県立南部医療センター・こども医療センターでは、業務委託先の社員が7月30日、診療費入金に関する書類を扱った後、棚に片付けず、ごみ箱の上に放置。清掃業者が回収し、焼却したとみられる。
書類には、患者4334人分の名前や入金額などが記され、うち1370人分はクレジットカード会社名も併記されていた。カード番号や生年月日、住所、電話番号などの情報は含まれていないという。同センターの福里吉充院長は「委託の契約解除を検討する」と述べた。
また、精和病院では、服用する薬や禁煙など患者の配慮事項などを書いた数人分の書類を記録した可能性がある私物のUSBメモリを、看護師が紛失した。7月25日に院内でUSBを使い、29日に紛失に気づいた。同病院の屋良一夫院長は「院外に持ち出していないということだが、まだ見つかっていない」と説明。これまでUSBの使用について明文化した規定はなかったという。
いずれも二次被害は確認されていない。同事業局は8月15日付で、すべての県立病院に個人情報の保護について注意喚起した。個人のUSBの使用禁止などの規定を整備することにしている。
なお、今回の事案によって再入金や還付金は派生しないといい、同事業局は詐欺に注意するよう呼びかけている。
(宮沢之祐)