元県立第一中学校の鉄血勤皇隊の生存者で、沖縄戦の語り部の石川栄喜(いしかわ・えいき)さんが19日午前8時25分、心筋梗塞のためうるま市の老人保健施設で死去した。95歳。うるま市与那城平安座出身。自宅はうるま市安慶名。告別式は23日午後3時から4時、うるま市田場1060の1、フェニックスホール具志川玉泉院で。喪主は長男智明(ちあき)さん。
一中3年時に動員され、炊事班で学校の寮で軍の食事を作る中、米軍の砲撃による学友の死を目の当たりにした。豊見城の保栄茂から糸満の摩文仁に逃げ、最後は学友らに声をかけ、米軍の投降の呼びかけに応じた。
戦後は小学校教員になり、当時から戦争体験を語り、校長退職後も小中高校から依頼を受け、講演を続けてきた。
石川さんの証言で保栄茂の壕の位置も明らかになった。20年に県から2020年に戦の語り部功労者として感謝状を受けた。
県立一中・首里高の同窓会組織の養秀同窓会は「語り部としての功績は多大だ。壕の発見は今後、学徒隊をはじめ沖縄戦を語り継いでいく上で重要な証言になった」としている。