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市長側「記憶がない」 第3回口頭弁論で当初の主張変更 原告側、慰謝料を追加請求 南城セクハラ疑惑 沖縄


市長側「記憶がない」 第3回口頭弁論で当初の主張変更 原告側、慰謝料を追加請求 南城セクハラ疑惑 沖縄 那覇地裁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 南城市と業務委託契約を結んでいた古謝景春南城市長の元運転手の女性が、市長からセクハラを受けたとして市長と市を相手取り、慰謝料など404万5千円を求めた訴訟の第3回口頭弁論が26日、那覇地裁(片瀬亮裁判長)で開かれた。原告の女性側は同日までに女性への名誉毀損(きそん)が疑われる発言を交流サイト(SNS)や市議会で繰り返す市長の言動について440万円の損害賠償を市長と市に追加請求した。

 被告の市長側は、原告の女性が訴えるセクハラ行為や発言について「記憶がない」とし、「否定ないし記憶がない」とした従来の主張を変えた。

 女性側は、7月31日付の追加請求で、市長が自身のフェイスブック(FB)上で「(女性の訴えは)組織的に仕組まれた」などと真偽不明な投稿をしたり、FB上での投稿や市議会で、女性に対する名誉毀損やプライバシー侵害につながるような発言を繰り返したりしたことが「新たな不法行為にあたる」とした。

 市長側は弁論前日の25日に提出した答弁書で、6月の第2回弁論で片瀬裁判長が求めた原告側の指摘する13件のセクハラ行為や発言について、いずれも否認した上で「記憶がない」とした。市長側は5月の初回弁論で提出した答弁書では、「否定ないし記憶がない」としており、当初の主張を変更した形だ。

 答弁書で、市長側は、女性側が追加請求で女性への名誉毀損やプライバシー侵害としているFBなどでの市長の言動について、いずれも「不法行為ではない」として争う構えを示し、請求棄却を求めた。

 弁論では、市長側が主張を変更したことについて、女性の代理人を務める加藤裕弁護士が、市長の代理人に対して「(女性側が)指摘した発言や行為について覚えていないという回答でいいか」と質問し、市長の代理人は「その通りだ」と述べた。次回弁論は11月12日。