名護署は26日、名護市辺野古の新基地建設に伴う土砂の搬出作業をしている安和桟橋の出口付近の路上で、沖縄防衛局職員の男性(54)の胸部を両手で押し転倒させたとして、暴行容疑で北中城村の無職の男性(76)を現行犯逮捕した。捜査に支障があるとして認否を明らかにしていない。
現場にいた市民らによると、男性は新基地建設に抗議をしていた。当時、桟橋出口を渡ろうとしていた女性(72)=名護市=の通行を防衛局職員が制止しようとして、2人とも転倒した。そのよう様子は複数の市民が目撃しており、周囲の抗議者からは男性の逮捕に疑問の声が上がったという。
目撃者などによると、桟橋出口横の歩道で警備員らのバリケードにより通行が制限されていた。一般の通行者が出口前を渡るタイミングに合わせて女性が渡ろうとしたところ、同職員に制止された。その後、女性と職員が転倒し、女性は左腕をすりむくなどのけがを負った。女性の背後には逮捕された男性がいて、同職員は男性に押されたなどと主張し、その場から離れたという。
女性が転倒する様子を見ていた名護市の男性(72)は「逮捕された男性はつえをついて歩いているし、両手で押し倒せるような状況じゃないのではないか」と話した。
同日、沖縄防衛局は琉球新報の取材に「現在、事実関係を確認中」と回答した。