浦添市宮城の国道58号で1月、軽自動車を運転してネパール人の夫妻をはねて死亡させたとして、過失運転致死の罪に問われている被告(81)の第1回公判が24日、那覇地裁(加藤貴裁判官)で開かれた。被告は「間違っていません」と起訴内容を認めた。検察側は「刑事責任は重大」として禁錮4年を求刑した。弁護側は執行猶予付き判決を求めて結審し、判決は11月21日に言い渡される。
検察側の冒頭陳述では、被告は時速約30~40キロで走行中の軽自動車をブレーキで減速させようとしたところ、誤ってアクセルを踏んだと説明。急加速したことに慌ててハンドルを切った際に、工事中の第一通行帯に設置された仮設の歩行者用通路に突っ込み、歩行中の2人をはねたとした。
検察側は論告求刑で、車両間の適正な距離を保ちながら走行することは「自動車運転者に求められる極めて基本的な注意義務」と指摘。被告が任意保険に未加入だった点も踏まえ、「刑事責任は重大」として禁錮刑を求めた。
弁護人は、被告が事故の約2カ月前に高齢者の免許更新手続きをしていたことから「事故の発生は予見できなかった」と主張。事故当時国道58号線が工事中で、第一通行帯に設置された歩行者用通路に「気づきにくい状況があったことも考慮されるべき」とした。