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PFAS、PCB明記 グアム移転年内開始も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【東京】28日に都内で開かれた安全保障協議委員会(2プラス2)の共同発表には、米軍基地周辺で有機フッ素化合物(PFAS)が高濃度で検出されている問題や人体に有害なポリ塩化ビフェニール(PCB)が在日米軍基地内に未処理で残されている問題についても盛り込まれた。日米地位協定や関連する取り決めにのっとった対応に向け「2国間環境協力の強化について議論した」と発表した。
 PFASについて共同発表で明記するのは、2016年に北谷浄水場の水源でPFOS(ピーフォス)の検出が表沙汰になってから初とみられる。PCBについては02年の共同発表で「解決へ向けた進展を歓迎」と記載、当時は米本国に持ち帰る方針となっていた。
 28日の2プラス2では在沖米海兵隊のグアム移転が24年中に始まることも改めて確認した。キャンプ・ハンセンの部隊が、島しょ部に分散して戦う米海兵隊の「遠征前方基地作戦(EABO)」の中核部隊として「第12海兵沿岸連隊(MLR)」と改称されたことも取り上げた。25年までに初期作戦能力を取得することについて「改編の着実な実施を称賛した」と共同発表に盛り込んだ。
 日米での情報収集・警戒監視・偵察(ISR)活動での協力の一環として嘉手納基地への無人機MQ9配備についても重要だと強調した。
 対日防衛義務を定めた日米安全保障条約5条が尖閣諸島(石垣市)に適用されるとの認識も改めて確認した。
 (明真南斗)