有料

新たに「対空電子戦部隊」を那覇に配備 県内防衛施設の整備に1108億円 2025年度予算概算要求


新たに「対空電子戦部隊」を那覇に配備 県内防衛施設の整備に1108億円 2025年度予算概算要求
この記事を書いた人 Avatar photo 明 真南斗

 防衛省は30日、2025年度予算案の概算要求を決定した。沖縄県内の施設整備費は合計で約1108億円に上る。27年度に陸上自衛隊那覇駐屯地(那覇市)へ上空の早期警戒管制機などを無効化するための新たな部隊「対空電子戦部隊」を配備する計画を打ち出し、概算要求で保管庫整備に向けた設計費を計上した。26年度に陸自石垣駐屯地(石垣市)へ電子戦部隊を配備する計画を掲げ、隊庁舎などの基本検討に関する費用を盛り込んだ。県内と奄美群島で、新たな施設整備も含めて活用できる土地を検討する事前調査費も要求する。

 陸自与那国駐屯地(与那国町)の沿岸監視隊は約20人の増員を予定し、25年度に定員約230人となる。航空燃料施設の改修や補給倉庫の整備、宇良部岳の海上監視レーダー施設整備の関連費用などを計画している。

 沖縄訓練場(沖縄市)内に整備予定の陸自補給拠点については最先端技術を使って自動で物資を格納・管理する自動化倉庫を導入する。約43億円を計上した。

 那覇駐屯地では地下指揮所の整備なども予定しており、合計で約455億円を計上している。宮古島駐屯地(宮古島市)ではレンジャー訓練棟の新設、航空自衛隊宮古分屯基地(同)でレーダーの能力向上を予定する。

 北大東村への空自移動式警戒管制レーダー配備に向け、レーダー「TPS102」を取得するために約79億円、施設整備に約65億円を盛り込んだ。

 空自那覇基地(那覇市)については施設整備で約134億円を計上。航空機を分散して配置するための「分散パッド」や航空機隠ぺい用施設、局舎の地下化に向けた経費を含む。警務隊の集約で約10人増員を予定。

 全国の自衛隊施設を強化するために担当職員を144人、有害なポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物の処理に向けて担当職員12人の増員を要求した。

 (明真南斗)