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維新、兵庫知事に辞職要求 本人拒否、不信任流動的


維新、兵庫知事に辞職要求 本人拒否、不信任流動的 取材に応じる兵庫県の斎藤元彦知事=9日午後、県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題で日本維新の会は9日、斎藤氏の辞職と出直し選挙を求める申し入れ書を服部洋平副知事に提出した。県議会最大会派自民党など他の全会派は12日に辞職要求する予定。斎藤氏は9日、いずれにも応じない考えを記者団に示した。不信任決議案提出を目指す動きも一部会派にあるが、県議会調査特別委員会(百条委員会)が継続する中で慎重意見も根強く、状況は流動的だ。
 申し入れ書は維新の馬場伸幸代表と兵庫維新の会の片山大介代表、県議団の連名で、片山氏らが提出した。百条委などで客観的な事実解明をすべきだとの立場は変わらないとした上で「説明は議会や県民が十分納得できるとは言い難い。県政運営に支障が生じ始めている」と指摘。「大局的な見地に立った賢明な判断を強く望む」と求めた。
 国会内で記者会見した藤田文武幹事長は2021年知事選で「推薦した責任がある」と説明。他会派より早く単独行動を起こすことで擁護の印象の払拭を図る狙いとみられる。不信任案提出の判断は当面持ち越す方針だが、藤田氏は今後提出された場合「賛同せざるを得ない」と言及。一方、片山氏は「自民とはスタンスが違う」とし、維新単独で提出する可能性もあると記者団に述べた。
 その後、取材に応じた斎藤氏は辞職要求について「重く受け止める」とした一方、「3年前に負託を受け選ばれた政治家であり、どういう道を進むべきかは自分で決める」と辞職を否定。県政停滞の指摘には「重大な形で停滞し支障が生じているかというとそうではない」と反論した。
 知事選で維新と支援した自民は、6日の百条委後に辞職要求方針を決定。不信任案には明確な理由が必要との意見がある公明党も同調した。立憲民主党県議らの「ひょうご県民連合」、共産党、無所属議員と連携し12日に申し入れる。