自民党の加藤勝信元官房長官(68)は10日、国会内で記者会見し、党総裁選への立候補を正式表明した。「国民の所得倍増を最優先で推し進めたい」と強調した。名乗りを上げたのは8人目。上川陽子外相(71)は陣営の会合で出馬に必要な推薦人20人を確保したと明らかにした。11日に会見を行う。斎藤健経済産業相(65)、野田聖子元総務相(64)の陣営は一本化を模索したが不調に終わった。両氏の出馬は困難との見方が広がった。
総裁選は12日の告示を控え、構図が固まりつつある。
加藤氏は国民の所得倍増のほか、給食費、子どもの医療費、出産費の負担をなくす「三つのゼロ」の実現も訴えた。派閥裏金事件を巡り、政治資金収支報告書への不記載相当額を国庫に返納する手続きを検討すべきだと言明。「大胆な補正予算」を編成して早期成立を目指すとした。
会見後、衆院解散・総選挙の時期に関し「できるだけ早く国民の信任を受ける選挙をしていくことは必要だ」と記者団に語った。秋に衆院を解散しても補正編成に影響しないとの認識を示した。
政策集団に衣替えする茂木派から自身と茂木敏充幹事長(68)が出馬する感想を問われ「派閥は解消した」と述べた。
上川氏は国会内で自身を支援する議員と会合を開催。「20人に推薦状を書いてもらい、今日整った。初の女性総理という声が湧き起こるよう活動していく」と力説した。正式に出馬表明すれば高市早苗経済安全保障担当相(63)に続き、2人目の女性候補となる。高市氏は議員会館を回り、支持を訴えた。
推薦人確保に難航する斎藤、野田両氏の陣営は断続的に協議。複数の党幹部は「2人とも出馬は厳しくなった」との見通しを語った。
記者会見で自民党総裁選への立候補を表明する加藤元官房長官=10日午前、国会
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加藤氏、立候補を表明 自民総裁選 上川氏、推薦20人確保
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琉球新報朝刊