prime

9月17日は「ヤンバルクイナの日」なぜできたの? 希少な動植物守るため制定<ニュースはじめの一歩>


9月17日は「ヤンバルクイナの日」なぜできたの? 希少な動植物守るため制定<ニュースはじめの一歩> 夜明けとともに道路沿いに姿を見せ、虫を探すヤンバルクイナ =5月7日午前5時50分ごろ、国頭村内(池田哲平撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

Q 9月17日は「ヤンバルクイナの日」。なぜこの日に決まったの?

 A 9(ク)月17(イ・ナ)日の語呂にちなんで、ヤンバルクイナなどの希少な野生動植物が生息する自然や文化を守るために、国頭村議会が2004年に制定しました。今年で制定20年となり、県内では徐々に認知度も高まっています。

 ヤンバルクイナは1981年に新種として発見された沖縄島北部の固有種です。環境省のレッドリストでは「絶滅危惧ⅠA類」に指定され「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い」とされています。生息数は環境省の調査で、1986年は約1800羽と推定されましたが、その後は減少傾向が続き、2005年には約720羽と推定されました。

 近年は保護活動に力を入れ、天敵のマングース防除事業が進んだことで、やんばるの森には約1500羽が生息していると推定されています。生息域も徐々に回復してきていて、昨年は県と環境省が実施した調査で、名護市源河で初めて確認されました。

 環境省によると、大宜味村塩屋と東村の福地ダムの間で、マングースの北上防止柵が設置された「SFライン」より北側で、まだ完全な防除を終えていません。ネコなどの外来種が捕獲する例もあるので、飼育管理も必要です。また、今年も8月20日現在で25件のロードキル(交通事故死)が発生しています。希少な動植物を守るためには、人間の心掛けが大切です。