首里城火災で焼失したため、新たに製作する扁額を巡り、県は25日、首里城扁額製作検討委員会(委員長・高良倉吉琉球大名誉教授)の2024年度第1回会合を那覇市内で開催した。2、3枚目の扁額に関する仕様などについて確認された。
首里城正殿の扁額は、平成の復元時、赤を基調としていた。だが、現在製作中の1枚目の扁額「中山世土(ちゅうざんせいど)」は、尚家に残されていた古文書の記述に基づいて地板の基調が黄色に変更される。
また、漆に金箔を塗って表現していた額縁の龍模様は彫刻へと様変わりする。
これに基づき、2枚目の扁額「輯瑞球陽(しゅうずいきゅうよう)」や、3枚目の「永祚瀛壖(えいそえいぜん)」についても、中山世土と同様の寸法・色味・額縁文様で製作が進められることなどが確認された。2、3枚目の扁額は、27年度中の完成を目指し、製作が進められる予定。
会合では、製作体制についても意見交換が行われ、委員らからは、往時の首里城には扁額が9枚掲げられていたことを指摘する声があがった。
県立芸術大学名誉教授の安里進氏は、「今は3枚が復元される計画になっているが、技術継承定着のためには、残り6枚も復元する必要がある」との見解を示し、「残り(の扁額)をどうするかが今後大きな課題になってくる」と話した。
(與那原采恵)