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名護市議会、安和の安全対策を県に要望 工事発注元の「防衛局」なく 宛先で紛糾 沖縄


名護市議会、安和の安全対策を県に要望 工事発注元の「防衛局」なく 宛先で紛糾 沖縄
この記事を書いた人 Avatar photo 金城 大樹

 名護市議会(金城隆議長)は25日、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に使用される土砂が搬出される名護市の安和桟橋で発生した死傷事故を受け、桟橋出入り口付近の安全対策を求める意見書を可決した。採決は可否同数(賛成12、反対12)で、議長裁決での可決。宛先は県知事。

 意見書では、桟橋出入り口付近にガードレールを設置するなど何らかの安全対策実施のほか、歩行者信号機・矢印式信号機の設置、桟橋の使用を妨げる目的の横断を禁止する旨の注意看板の設置、車両の通行を妨げる行為が行われた場合、県から警察へ通報することを求めた。

 意見書の採決を巡り議会は紛糾した。野党は、意見書の宛先が県のみになっている点について、工事の発注元である沖縄防衛局なども含めるべきなどとして反対した。

 一方、与党は、事故以前から、県が事業者側からガードレールの設置などの安全対策を求められていたにもかかわらず、対応していなかったとし、早急な対応を求め賛成した。

 議会閉会後、金城議長は事故の責任が県側だけでなく防衛局などにもあるとの認識を示した上で「大きな事故が発生した以上、まず安全対策が必要だ。今、作業が行われている以上、早く取り組まないといけないということで賛成に回った」と話した。 

   (金城大樹)