沖縄防衛局は1日、名護市辺野古の新基地建設について有識者から助言を得る環境監視等委員会の会合を那覇市内で開いた。防衛局は、大浦湾側で仮設道路2カ所とN7護岸のしゅんせつ工事を行った場合を想定した秋から春にかけての水の濁りのシミュレーション結果を示し、いずれも移植対象のサンゴに影響を与えずに工事できることを確認したと明らかにした。近く着手するとみられる。
高水温の影響で中断しているサンゴの移植について防衛局担当者は「今後の水温など海象状況をみる必要がある」とし、再開時期は未定とした。
一方、今年5月に移植したショウガサンゴと小型サンゴの計75群体について、移植3カ月後のモニタリング結果が示され、ショウガサンゴ1群体を含む13群体(17%)減の62群体となった。
元々生息していたサンゴ類は、5月の合計109群体から、3カ月後は7群体(6%)減の102群体となっており、移植したサンゴと元々生息していたサンゴの生残率に違いが出た。
防衛局の担当者は理由について「現時点で明確にはなっていない」とした上で「(生残率に)特段違いがあるという認識はない。委員会でも指摘や議論はなかった」と述べた。 (知念征尚)