赤沢亮正防災庁設置準備担当相は2日、災害時に政府の司令塔機能を担う「防災庁」を2026年度中に創設する方針を表明した。記者会見で「まずは(現行の)内閣府防災担当部局の組織、人員、予算などの大幅拡充を進める」と道筋を示した。防災庁には専任の大臣を置き、発生対応だけでなく事前防災の強化にも努めるとした。今後、関係省庁によるチームを設置し具体的な検討を始める。
ただ、防災庁の輪郭は現時点ではっきりせず、人員確保や、関係省庁も絡めて組織改編するのかなど課題は多い。豪雨など自然災害が激甚化し、巨大地震への備えも急務となる中、新組織の実行力が問われる。
赤沢氏は、南海トラフ巨大地震や首都直下地震、富士山噴火などへの危機感を表明。国土交通省や総務省消防庁など関係省庁との調整を担う現在の内閣府の態勢に触れ「パンクしかけている。事前防災の検討も大災害が起きれば中断される」と課題を指摘した。
防災庁設置は石破茂首相が重視する政策の一つ。自民党総裁選で石破氏は「内閣府の外局として防災庁をつくる。自衛隊や警察のみならず、各省庁を含めた最終形が防災省だ」と強調していた。
内閣府の防災部局は今年9月時点で約160人の職員が在籍。01年の省庁再編で旧国土庁が廃止され、同庁防災局を引き継ぐ形で発足した。国土交通省出身者が中心で職員は数年で異動することが多く、ノウハウの蓄積などが十分でないとの指摘も出ていた。
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防災庁 26年度創設へ 人員や組織拡充に課題
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琉球新報朝刊