ジュゴンなど保護勧告/IUCNが決議

 
  ヨルダンの首都アンマンで開かれている国際自然保護連合(IUCN)の総会は10日夜(日本時間11日未明)、名護市辺野古一帯海域を中心に生息するジュゴンと本島北部やんばるの森に生息するノグチゲラ、ヤンバルクイナなどの保全を求める勧告決議案を採択した。採択された決議案では、日本政府に対し、名護市東海岸のジュゴン生息域に建設する普天間代替基地建設に関して、自発的な環境影響調査を可能な限り早く行うことなどを求めた。日米両政府は審議に参加したものの採択には加わらなかった。勧告に法的な拘束力はないが国際世論の高まりは必至。辺野古に予定されている米軍普天間飛行場の代替基地建設計画や北部訓練場移設返還に伴うヘリパッド建設計画にも影響を及ぼしそうだ。
 
  ジュゴンとヤンバルクイナなどに関する勧告決議案は一つにまとめられ、日本政府に対し四項目、米政府に一項目、日米両政府に二項目の要請が記された。
  ジュゴンの保全では、普天間飛行場の辺野古への移設がジュゴンの採食場所などになっている同地域沿岸のさんご礁と藻場に与える影響を指摘。日本政府に早急な環境調査、米国政府には日本の依頼に従い、同調査の協力を強く要請した。また日米両政府に環境調査の結果を考慮したジュゴンの保全の対策を求めている。
  ノグチゲラとヤンバルクイナについては、同生物が生息するやんばるを世界自然遺産候補地として指名することや、保全の対策を求めている。
  同総会で審議された決議案は約100件。ジュゴンやノグチゲラなどの保全決議は反対意見が出ず、スムーズに採択された。
  決議の要請は世界自然保護基金日本委員会(WWFJ)、日本自然保護協会、日本野鳥の会が提案。IUCNの総会はこれまで新石垣空港建設問題で「白保さんご礁の保護」の決議をしているが、ジュゴンやヤンバルクイナなどの保全を求める決議は今回が初めて。
  当初、提出されていた決議案では、米軍普天間代替基地の建設計画や、北部訓練場移設返還に伴うヘリパッド建設計画の見直しも含まれていたが、日米両政府の代表者らも交えた総会前の事前調整でその部分は削除、ほかの部分についても大幅な修正が加えられた。