金武町伊芸被弾事件 「条件付き」で訓練中止要請/県、政府より慎重姿勢

 金武町伊芸被弾事件を受けた米軍実弾演習中止要請をめぐり、政府と県で温度差が生じている。基地問題では従来、県の要請に政府側が難色を見せる例が多いが、今回は政府側が踏み込んだ格好で逆転現象ともいえる。

銃弾らしきものが、米軍の物かは判明していないことから、県は「米軍のものであった場合は訓練中止を」と条件付きで要請したのに対し、沖縄防衛局は「(発生翌日の14日の要請)文書を出した時点から中止を求めている」との立場だ。
 外務省も「どこに起因するのであれ、安全確保されるまでは中止してほしい」と要請、担当者は「(県より強い姿勢なのは)事実かもしれない」と話す。
 防衛局は14日、局長名で中止を求めた。「今回の件が米軍によるものとすれば大変遺憾。事実関係の徹底的な究明を行い、訓練の安全が確認されるまでは関連する訓練を控えること」と申し入れた。
 県基地対策課は防衛、外務にも照会したといい「防衛も外務も県と同じ米軍のものなら中止を、という要請だ」と政府の姿勢と違いがないことを強調する。県幹部は、防衛局の要請で「米軍によるものとすれば」という件が「訓練中止」までかかっており、県姿勢と同じだと防衛省側から説明を受けたという。
 現在の県の要請では、判明するまで訓練を容認することになる。ただ、判明前から中止を要請したという防衛、外務も、事件発生後も訓練を中止しない米軍に抗議などはしておらず、黙認という形も否めない。
 防衛省関係者は「米軍事故発生で政府は二重基準。地元住民を刺激しない一方で日米安保堅持の立場から、米軍の事件事故発生後の申し入れには極めて慎重にならざるを得ない」と指摘する。
(滝本匠)