(31)「いん」と「ゐん」/適切な表記が必要

 カタカナ英語で困った事はありませんか?
 例えば、ライスは英語で「RICE」と書く。しかし日本人は「R」の発音が苦手なので、普通「ラ」という時は「L」の発音になる。
 そうなると「LICE(しらみ)」となりこれは問題である。
 また、ボートという語も「BOAT(小船)」なのか、「VOTE(投票)」なのか分からない。
 これらのカタカナ英語は、英語を真剣に勉強しようと思う人には困った表記法だといえよう。
 うちなぁぐちの表記法は定まっていないので、このままだと、カタカナ英語のようにいい加減なものになってしまう可能性がある。これからはきちんとした表記を作っていくことが大切な課題だろう。
 英語と同じくうちなぁぐちにも、発音が違えばまったく別の単語になってしまう語はとても多い。
 例えば「犬(いん)」と「縁(ゐん)」。これは「い」と「ゐ」の違い。この「ゐ」の表記は日本語では一般的ではないが、うちなぁぐちには是非(ぜひ)必要だ。
 また「音(うとぅ)」と「夫(をぅとぅ)」。これも「う」と「をぅ」の違い。さらに「合図(いぇーじ)」と「八重瀬(ゑーじ)」。これは「いぇ」と「ゑ」の違い。
 まだまだある。「扇(おーじ)」と「王子(をーじ)」。これは「お」と「を」の違い。
 ほかにもたくさんあるが、この表記に関して私はとても悩み、研究を重ねた。
 その結果、野村流古典音楽工工四や、琉球大学図書館HP上の「琉球語音声データベース」、さらに島袋盛敏氏中心に著された「沖縄語辞典」などを参考にし、ほぼ発音どおりの表記をまとめることができた。
 例えば「ゐ」や「をぅ」、「いぇ」や「をー」など。
 これらの表記は見慣れないものかもしれないが、それぞれカタカナで、野村流工工四や沖縄語辞典に掲載されている。
 うちなぁぐちは日本語とも英語とも違う言語なので、当たり前のように日本語や英語とは違う発音を持っている。
 その違いこそがうちなぁぐちがうちなぁぐちたる所以(ゆえん)だといえよう。
(ラジオ沖縄「民謡の花束『光龍ぬピリンパラン日曜日』」パーソナリティー)