<27>米大統領が沖縄新政策 1962年3月20日夕刊

 ケネディ米大統領は1962年3月19日午後4時(日本時間20日午前6時)、米国の沖縄に対する新政策と大統領行政命令の改正を、大統領声明として発表した。声明では沖縄が日本の領土の一部であることを認め、今後日本の主権下に復帰するまでに取る措置を明らかにした。

 新政策は(1)沖縄に対する米援助増額(2)沖縄住民の給与水準、公衆衛生、教育、福祉の水準を日本本土の相当する地域の水準まで引き上げ(3)経済開発のための借款資金の新規増額―について、関係法案を米議会に提案する準備を進める。さらに「沖縄問題について日本政府との討議開始」「米国が保有している行政機能の琉球政府への委譲」「沖縄住民の個人的自由を制限している諸統制撤廃について検討」も掲げている。
 行政命令改正は(1)琉球政府主席の任命方式の改正(2)高等弁務官の拒否権に対する改正(3)立法院議員の任期延長(4)立法院選挙区の数と区域の変更(5)文民民政官の任命(6)刑事裁判権についての改正―がポイント。
 米大統領の新政策について日本政府の小坂善太郎外相は「沖縄が日本の本土であることをはっきりさせ『琉球政府が日本の施政権下に復帰するようになる場合』というように、施政権返還の目的がはっきりした点が一番重要」と語った。
 沖縄の野党各派や民主団体からは「基地と行政権の不離一体を強調し、住民の悲願である施政権の返還については見通しも希望も与えていない。結論としてこれまでの軍事優先の施策に変わりはなく、基地の必要性を強調したことで、かえってアジアに不安と緊張を増大させた」との声が聞かれた。

◆ケネディ大統領声明
 私は琉球が日本国土の一部であることを認め、自由世界の安全保障の立場から琉球が完全に日本の主権の下に復帰が許される日を待望している。それまでの間は、すべての当事者が寛容と相互理解の精神に則(のっと)って対処しなければならない事態にある。(抜粋)