ハワイの7勇士表彰へ 沖縄に豚550頭送る


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沖縄に豚を送った、ハワイの勇士7人と救済会のメンバー。前列左から、仲間牛吉さん、山城義雄さん、宮里昌平さん、渡名喜元美さん、上江洲易男さん(右下)。後列左から、仲嶺真助さん(救済会広報)、金城善助さん(同事務局長)、島袋真栄さん、安慶名良信さん=1948年

 第5回世界のウチナーンチュ大会実行委員会は13日、終戦直後の1948年に食料難で苦しむ沖縄住民に豚550頭を届けたハワイの県系人勇士7人の功績をたたえ、表彰する。13日開幕のウチナーンチュ大会に合わせ、関連行事に遺族を招き、感謝状と記念品の琉球伝統工芸品を贈る。

2人の遺族の来県は決定、残り5人は調整中。来県できなかった遺族には郵送する。同実行委は「世界の県系人のネットワークを考える上で欠かせない歴史だ。風化させてはいけない」と表彰の意義を話した。
 表彰式は13日午前10時から開かれる大会関連行事「海から豚がやってきた」写真パネル展の冒頭、那覇市の県立博物館・美術館「世界のウチナーンチュ大会歴史資料展」特別展示場で実施する。
 7人の最後の生存者、上江洲易男(やすお)さん=享年(91)=が7月20日に亡くなり、沖縄ハワイ協会は8月の大会実行委員会総会で「何らかの形で感謝の意を示すべきだ」などと要望していた。
 その後、大会実行委事務局は遺族を招くための旅費調達に奔走。これに応え、沖縄ハム総合食品、県養豚振興協議会、県畜産振興基金公社、我那覇畜産、琉球協同飼料、那覇ミート、沖縄ホーメル、県飼料協業組合の豚に関する企業・団体が事務局に寄付金計200万円を贈った。
 沖縄に豚を送ったのは、上江洲さんと山城義雄さん、渡名喜元美さん、仲間牛吉さん、島袋真栄さん、宮里昌平さん、安慶名良信さん。当時、米本土で豚を購入し、軍船を借用。沖縄に向かう途中、洋上に浮遊する日本軍の機雷や大しけに遭いながら、命懸けで豚を送り届けた。このほかにも北・南米など多くの国々の県系人がさまざまな多量の物資を送り届けた。
 第5回世界のウチナーンチュ大会実行委員会の知念英信幹事長は「関連企業によく協力していただいた」と感謝した。(新垣毅)

英文へ→Executive Committee to honor seven brave Hawaiian Uchinanchu who transported 550 pigs to their homeland following the devastation of war