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オスプレイ審査書概要、空軍仕様機含めず 事故率低く見せる

オスプレイの主な事故(クリックで拡大)

 米軍普天間飛行場への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備に向け、在沖米海兵隊が作成した環境審査書の概要版(エグゼクティブ・サマリー)は、10万飛行時間当たりの事故率について「1・12」と示し「米海兵隊平均を上回る優れた運用上の安全記録を誇る高性能航空機」と強調している。しかし、この数字は開発段階の事故や空軍仕様機(CV22)の事故、今年4月のモロッコでの事故は含んでいない。

同審査書で目立つのが、危険性を低く見せようとする海兵隊の姿勢だ。
 CV22は今回の米フロリダ州で発生した墜落事故のほかに、2010年4月にもアフガニスタン南部で通常任務中に墜落し、4人が死亡、16人が負傷する事故が発生している。
 MV22とCV22を合わせた墜落などの大きな事故は日米両政府が公表したり、報道で明らかになっているものだけで1991年以降、計9件に上る。環境審査で示された「1・12」の事故率は、2004~08年に起きたMV22の「クラスA」(死者や200万ドル以上の損害などが発生)の事故1件で算出されている。
 環境審査書本文は1999年~2011年の事故率を示し「3・32」としたが、90年代の一部開発段階の事故は反映させていない。04年の運用状態に到達した後の事故率の「1・12」を強調し、普天間飛行場でオスプレイに交代されるCH46中型輸送ヘリコプターの事故率を「1・14」と比べ低いことをアピールした。しかし、防衛省が環境審査書提供と併せ県に提出したデータ集は、MV22についてモロッコの墜落事故を含み「1・93」と示し、CH46よりも高くなる。
 米側が事故率の算定に含めていない開発段階の事故を全て入れ、CVの事故も含むと事故率はさらに高まる。また、事故率算出に換算されるクラスAの事故とは海兵隊が認めないが大きな被害が出ている事故もこれまで報道されており、危険性の実態は相当高まるとみられる。