政治

尖閣上陸、14人全員 強制送還 逮捕から2日、早期決着

 香港の活動家ら計14人が尖閣諸島の魚釣島に不法上陸するなどし、入管難民法違反容疑で県警と第11管区海上保安本部に逮捕された事件で、福岡入国管理局那覇支局は17日午後、14人全員を強制送還した。

同日午前に県警から身柄を引き渡された活動家ら5人と、前日夜に11管から引き渡されていた抗議船「啓豊2号」船長ら9人の計14人を、那覇発香港行きの香港エクスプレス便と、石垣港に係留されていた抗議船に振り分けて送還を完了。2004年3月の上陸事件と同様の強制送還となり、事件は発生からわずか2日での決着となった。
 強制送還されたのは、魚釣島に不法上陸したいずれも自称の社会活動家古思堯容疑者(66)ら5人、同船に乗船して不法入国した船長の楊匡容疑者(45)や同行のテレビ局員2人を含む9人。いずれも県警や11管の調べに対し「尖閣諸島は中国の領土なので罪に当たらない」と容疑を否認し続けていたという。
 県警外事課は17日午前9時半すぎ、古容疑者ら5人の身柄を同法に基づいて入管に引き渡した。同法65条の「ほかに犯罪容疑がない場合、入管に身柄を引き渡すことができる」との規定を適用した。送検を見送った上での決定について「これまでの取り調べで、(不法上陸以外の)ほかの犯罪の嫌疑がないことなどを総合的に判断した」と説明。「捜査はし尽くした」と強調した。
 入管の審査後、古容疑者ら5人とテレビ局員2人の計7人は午後3時半ごろから順次、那覇空港に向けて留置先を出発。待機していた民間機に搭乗して空路香港へ向かった。楊容疑者ら操船スタッフ7人は、11管の航空機で石垣市に移送された後、証拠物として押収されていた同船に乗船し、同日午後9時半ごろ石垣港を出港した。
 政府は17日午前、野田佳彦首相も交えた関係閣僚会議を官邸で開き、強制送還の方針を確認。再発防止に向けて法整備などの対策強化策の早期検討を決めた。
 事件は15日午後5時35分ごろ、日本の領海に侵入した14人乗船の抗議船が11管の巡視船の規制を振り切って同島にたどり着き、7人が上陸(うち2人はすぐに乗船)したことで発生。事前情報で先に上陸していた県警や11管の職員が約30人体制で全員を現行犯逮捕した。