県人会の協力有効 国際教育強化へ提言 名桜大シンポ


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県人ネットワークを生かした国際交流教育の可能性を語るパネリストら=21日、名桜大多目的ホール

 【名護】海外のウチナーンチュネットワークを活用した国際交流教育の在り方を考える名桜大国際学群公開シンポジウム(名桜大主催)が21日、同大多目的ホールで開かれた。

WUB(ワールドワイド・ウチナーンチュ・ビジネス・アソシエーション)の役員や研究者、留学生が登壇。国際化時代に必要な多様性を学ぶのに、WUBをはじめとする海外県人との協力が有効と指摘があり、留学生の派遣・受け入れ組織を大学内で整備する必要性が挙げられた。
 WUB創設者のロバート・仲宗根さんと現会長の長嶺爲(ため)泰(やす)さんが基調講演。WUBの活動や移民史を紹介した。
 二人の講演を受けて、遠山光一郎さん(シンガポール沖縄民間大使)、町田宗博さん(琉大教授)、渡慶次正則さん(名桜大教授)、アンドレス比嘉さん(名桜大大学院1年)がそれぞれの立場から提言した。
 町田さんは沖縄文化と現地文化を融合させる各国県人会活動を挙げ「多様性を学べるハワイ、南米などは国際教育の場として、とても有効」と指摘。渡慶次さんは留学からの帰国者や海外から留学してきた学生の能力、体験を活用する場が少ないとして「総合的な窓口や留学生会館の建設が必要」と語った。
 比嘉さんは世界若者ウチナーンチュ大会に参加し「世界の仲間とつながりが増えた。このつながりを生かしたい」と若者独自のネットワーク活用に意欲を見せた。遠山さんは過去に留学生を受け入れた経験から「可能性は十分にある。そのための仕組みづくりを一緒に考えたい」と話した。