新ターミナル18年度開業 旭橋駅周辺再開発事業


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バスターミナルの再開発事業をめぐる議論に耳を傾ける参加者ら=16日、那覇市の自治会館

 那覇市の沖縄都市モノレール旭橋駅周辺地区再開発事業で、実施主体である旭橋都市再開発(那覇市、福治嗣夫社長)が北地区(A地区)に含まれるバスターミナルの再開発事業について、2013年度中に事業認可を取得し、15~17年度に着工、18年度の使用開始を予定していることが分かった。

16日、那覇市の県市町村自治会館で開かれたシンポジウム「バスターミナルを活(い)かしたまちづくり」で報告された。
 新たなバスターミナルは、まちづくりの拠点となる商業施設や観光バスの停留所、モノレール駅との連結などを含め、今後の議論を踏まえ、さまざまな可能性を模索していく。
 シンポジウムには、地域周辺住民や建築、バス関係者ら約150人が参加。まちづくりを研究する識者や行政、バス、建築関係者ら6人によるパネル討論があった。
 横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院の中村文彦教授は、役所や商業施設、文化施設などを併設した県外のバスターミナルや、周辺の駐車場を減らして通勤時のバス利用率を上げた海外の事例などを紹介。その上で「施設整備が目的ではなく、都市づくりの目標達成につなげることが必要だ」と強調した。
 県建築士会の中本清会長は、ターミナルを空港と市街地をつなぐバスやタクシー、モノレールなどの結節点と位置付け、「手荷物を預けられる場所がほしい。そうすれば観光客が空港に帰る前に手ぶらで買い物ができる」と話した。
 県バス協会の慶田佳春専務理事は、再開発事業への行政の積極的な関与を要望。「民間だけでは限界がある」とし、官民で構成する協議会設置を提案した。
 そのほか商業施設の建設を前提に、イベント広場や観光情報の発信施設の設置などのさまざまな提言があった。
 北地区再開発をめぐっては、第一交通産業(北九州市)がターミナル用地の一部を所有していた那覇バスターミナル社を2012年1月に完全子会社化した。停滞していた開発事業の始動に期待が高まっている。