豚送った移民に感謝 BEGIN、うるま市でコンサート


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戦後、沖縄に豚を送った県系移民へ感謝を込めて開催された「BEGIN 豚の音がえしコンサート」=17日、うるま市民芸術劇場

 【うるま】戦後、食糧難となった沖縄に豚550頭を送ったハワイ県系移民に感謝しようと「BEGIN 豚の音がえしコンサート」(うるま市教育委員会主催、琉球新報社共催)が17日、うるま市民芸術劇場で開かれた。

満員の観客は、BEGINの歌声に聴き入り、古里を思い続けた県系移民の「肝心(チムグクル)」に思いをはせた。
 第2次世界大戦後、ハワイの県系移民は「布哇(ハワイ)連合沖縄救済会」(金城善助会長)を結成。募金や物資を集め、その資金で550頭の豚を買い、沖縄へ送った。豚を乗せた船が着いたのが、現在のうるま市ホワイトビーチだ。その歴史を知ったBEGINは「音がえし」として550本の楽器をハワイに送る活動をしている。
 コンサートでは、「ウルマメロディー」という曲で、ハワイアンフラと琉球國祭り太鼓のメンバーが登場。BEGINの比嘉栄昇さんは「沖縄を思いながらハワイで生活する県系人の皆さんに喜んでほしかった」と、曲に込めた思いを語った。
 来場したハワイ沖縄連合会のジョージA・バーテルズジュニア会長(55)は「世界のウチナーンチュはいつでもつながっている。きょう、それを実感し感動した」と喜んだ。