【八重山】水産庁の須藤徳之資源管理部長は13日、八重山漁協の漁師らに日台漁業協定の内容を説明した。関係者によると、説明会の中で須藤部長らは「後ろから早く(締結)しろとしかられていた」と説明し、官邸が協定締結を急いでいた状況を明かした。漁師らは先島諸島北側に法令適用除外水域を設け、台湾漁船の操業を認めたことに反発。協定内容の再考を求めた。
漁師らの反対意見を聞いた須藤部長は「官邸、大臣にそのまま伝える」と話した。
先島諸島北側で台湾が主張する暫定執法線を越えて台湾漁船の操業を認めたことについて、須藤部長は台湾漁船のはえ縄が長く、執法線の範囲内でしか漁を認めなかった場合、尖閣諸島の領海内に入る恐れがあることを指摘したという。
漁師らは大型で数も多い台湾漁船に操業を認めると、地元漁船が入る余地がなくなってしまうことを懸念。地元の意見を聞く前に協定を締結したことについても批判の声が上がった。
八重山漁協の上原亀一組合長は「受け入れがたいというコメントが多かった。なんとか見直しも含め再検討してもらえるよう要請していきたい」と述べた。
須藤部長は同日、中山義隆市長にも協定内容を説明した。
中山市長は「地元漁業者への影響が大きく手放しでは喜べない。八重山の人が水産業で生きていけるよう、適切な支援を求めていく」と話した。