北中城と芸大交流10周年 村づくりへシンポ


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 【北中城】北中城村と県立芸術大学との芸術交流事業10周年を記念した「村文化芸術振興シンポジウム~アートが輝く魅力あるまちづくり」が4月27日、村中央公民館で開かれた。講演やパネルディスカッションを通し、芸術を生かした今後の村づくりについて活発な議論が交わされた。

 県立芸大と村は2004年から13年にかけ、97点の彫刻作品を村内に設置する「彫刻カジマヤー計画」を実施。土器の制作体験やオーケストラ鑑賞教室など幅広く交流を続けている。
 パネルディスカッションで、川上辰雄村文化協会会長は、彫刻を通じた交流について「文化的な波及効果が大きく、その風土の中からさまざまな文化活動が生まれている」と語った。
 県立芸大の佐久本嗣男学長は「文化の村づくりがすぐに経済効果につながらなくとも、それを広げることで村が活性化し、自然発生的に潤いが波及する」と強調した。
 今後の交流に向けては、彫刻ビエンナーレの開催やアートレジデンス、村との交流の拠点となるセンターの設置などを提案した。
 フロアからの質疑では、村の沿道に並ぶ彫刻作品について「アートの視点と、生活する側の視点がかみ合わない部分がある。作品について説明する資料があれば、村民も平等に認識が持てる」など多くの意見も寄せられた。

パネルディスカッションで芸術を生かした村づくりについて意見を交わす登壇者=4月27日、北中城村中央公民館
文化活動に関する報告や質疑を活発に行う参加者