「社員の健康は会社の財産」 増える「体調管理」重視


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独自の健康チェックリストを紹介する三崎工業の知念秀明さん(左端)ら社員=1日、那覇市のパレットくもじ前広場

 「社員の健康は会社の財産」を合言葉に、職員の健康づくりに熱心に取り組む事業所が県内で増えつつある。ウオーキングの推進、ヨガ、独自のチェックリストによる疲労度の把握、ヘルシー献立の提供など、事業所の実践は幅広い。

沖縄労働局によると、労働者の健康は生産性向上やイメージアップ、危機管理に役立つという概念が全国的に重要視されるようになっている。社員の健康づくりは時代の流れといえそうだ。
 1日、那覇市のパレットくもじ前広場で開かれた「イチキロヘラス!」の1周年記念イベントでは、健康づくりを推進する南部電工、アイムホーム、三崎工業、沖縄銀行の4社の担当者が実践内容を紹介した。
 三崎工業(浦添市)は「働くこと 学ぶこと 健康なことが最高の財産」を社の理念に掲げる。取締役の知念秀明さん(38)は、社員の健康状態を測る独自のチェックリストを紹介。運動や暴飲暴食の有無、睡眠の状況など10項目を質問し、各自が体調に気付く機会にしてもらっている。毎日の体操や健診の受診勧奨も推進。知念さんは「体調不良を訴える人がほとんどいなくなった」と胸を張った。
 配電工事などを担う南部電工(糸満市)は始業前のラジオ体操やジョギングを35年続けている。社員が腰痛や筋肉痛を訴える時代もあったが、運動の導入によって社員の体調は改善した。平良貞行部長(61)は「ベテラン社員が若手に、継続の大切さを言い聞かせている」と語った。
 アイムホーム(北谷町)は、始業前のヨガのほか栄養素を酵素ドリンクで摂取して食事を取らないファスティング(断食)を推奨し、酵素ドリンク代を助成していると紹介。職員でヨガインストラクター資格を持つ山城薫さん(54)がヨガを披露した。
 沖縄銀行は人事部調査役の與儀直人さん(33)と保健師の上原明美さん(48)が登壇し、社員食堂でのヘルシー献立提供、ウオーキングの推奨などを紹介した。
 沖縄労働局は健康づくりに熱心な企業を公表し応援する「健康経営宣言登録事業(仮称)」の準備を進めている。同局健康安全課の夏井智毅課長は「社員の健康は、会社の活力につながり、成長にプラスになると企業が考えるようになっている」と指摘した。