米軍夜間訓練、連夜80デシベル超 住民「寝付けない」


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 【宜野湾】米軍普天間飛行場のMV22オスプレイなど米軍機が8月下旬以降、日米間の航空機騒音規制措置で運用が制限される午後10時以降の飛行を繰り返し、夜間にもかかわらず周辺地域で80~90デシベルを超える騒音が連日観測されている。

8月25日から今月9日までの16日間で、午後10時以降を超えた飛行が少なくとも9日間確認され、最大97・3デシベルの騒音を記録した。午前0時を超える飛行に、周辺住民からは安眠妨害などを訴える声が相次いでいる。識者は「夜間の騒音は昼間に比べても生活にかなり影響があり、異常だ」などと指摘した。
 普天間周辺では今月3日夜から3夜連続で午前0時を超える米軍機の飛行があったほか、7、8の両日も午後10時以降の飛行が確認された。9日午後10時17分と28分にはオスプレイ2機が普天間飛行場に着陸した。
 市や県による騒音測定調査では、4日深夜に滑走路北側の野嵩一区公民館で85・2デシベル、5日深夜には滑走路南側の上大謝名公民館で87・7デシベルを記録した。いずれもオスプレイによる騒音で、周辺地域に重低音が響き渡った。80デシベルで電車内、90デシベルで騒々しい工場内の騒音に相当する。
 琉球大の渡嘉敷健准教授による調査では、8月26日深夜にオスプレイ3機が通過した際、普天間第二小屋上で100デシベル(電車通過時のガード下の騒音に相当)に迫る97・3デシベルを計測した。オスプレイによる深夜の騒音について渡嘉敷准教授は「昼間に比べ夜間は生活への影響も大きい。住宅街の中にある基地であることに配慮しておらず、異常な状態だ」と指摘した。
 普天間飛行場では部隊の海外派遣や演習の時期が近づくと、所属機の夜間訓練など運用が激化する傾向がある。相次ぐ夜間の飛行に、普天間爆音訴訟団の高橋年男事務局長は「なかなか寝付けず、翌日の仕事にも支障が出ている」と訴える。「航空機騒音規制措置は米軍にとって何の意味もなく、形骸化している」と指摘した。米軍機の飛行ルート直下に位置する上大謝名の大城ちえ子自治会長は「最近、夜間飛行訓練が特に目立つ。地域住民への生活への影響を考えてほしい」と求めた。(当山幸都)

航空機騒音規制措置で運用が制限される午後10時以降に住宅地上空を飛行し、着陸するオスプレイ=9日午後10時16分ごろ、米軍普天間飛行場(当山幸都撮影)
※普天間第二小の騒音は渡嘉敷健琉大准教授、それ以外は市、県の測定調査より。dBはデシベル。(表はクリックで拡大)