清ら言葉 忘てなゆみ 那覇でくとぅば語やびら大会


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しまくとぅばによる芝居で会場を沸かせる参加者=13日、那覇市

 さまざまな地域のしまくとぅばで意見を発表する「島々ぬくとぅば語やびら大会」(那覇市主催)が13日、那覇市のパレット市民劇場で開催された。沖縄本島南部や北部、八重山、宮古島の沖縄地方のほか、奄美大島や米ハワイ出身者がそれぞれの地域のしまくとぅばを用いて意見を述べたほか、芝居を披露した。

集まった約300人の観客は笑顔を見せながら、登壇者の話に聞き入った。
 小学生から高齢者まで10組が登壇。本部町備瀬出身の仲田栄松さん(88)=那覇市=は、60年前に離れた故郷の思い出を語った。その上で「幾里(いくり)隔(へじゃ)めても 幾代(いよ)変(か)わるとも 清(ちゅ)らさ備瀬言葉(びしくとぅば) 忘(わし)てなゆみ」と自身が詠んだ琉歌を披露した。
 ハワイ生まれで、現在琉球大学で沖縄の文化などを学ぶ県系4世のフー・コーリンさんは10年前、中学生のころに祖母から沖縄の文化を教えてもらったことを紹介。「これから沖縄の文化と歴史をもっと勉強して、守りたい」と意気込んだ。
 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は2009年、消滅の危機にある言語として六つの琉球諸語を認定した。これを受けた13年の県の調査では、県民の約35%しか日常的にしまくとぅばを使っていないとの結果が出ている。