アマ城間さん、羽生名人破る 角落将棋記念対局


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羽生善治名人(左)との記念対局に挑む全日本アマ名人の城間春樹さん=27日、渋谷区の東京・将棋会館

 【東京】第68回アマチュア将棋名人戦角落記念対局(日本将棋連盟主催)が27日、渋谷区の東京・将棋会館であり、全日本アマチュア将棋名人を県出身で初めて獲得した城間春樹アマ名人がプロの羽生善治名人を下した。

城間さんは「羽生さんと戦うだけでも光栄なのに、しかも勝ってうれしい」と、緊張した面持ちで語った。
 羽生名人の角落ち(角行なしで戦う試合)とした対局は序盤、城間さんが思い切りよく出たが、羽生名人も応戦し乱戦模様に。飛車など大駒が中段に行き交う激しい展開となった。
 長考の末、城間さんが中盤で放った4九玉は、羽生名人が「かなり味わい深い手。こちらの狙いを封じられ、その後は厚みを築かれた」と称賛する一手だった。
 「雲の上の存在」という羽生名人との初対戦を前に、昼食も喉を通らないほど緊張していた城間さん。実は乱戦になるのが一番怖いと思っていたという。しかし再三、敵陣に迫り、「王様の薄い戦いで怖かったが、最後まで落ち着いて対処できた」と振り返った。
 城間さんは、奨励会の最高位である三段まで昇段したが、リーグ戦は勝ち抜けず、年齢制限で退会した。しかし将棋の道を捨てず、豊田塾宜野湾将棋道場の師範として指導に当たりながら、アマ名人を手にした。
 92手で投了後は、憧れの名人に勝った喜びに頬を上気させた城間さん。次の目標は年明けにも開かれる棋王戦の本戦を目指す。「まずは予選を一生懸命頑張りたい」と話した。
 沖縄からは道場の豊田敏男顧問と照屋彰代表も応援に駆け付けた。勝利に目を潤ませた照屋さんは「沖縄の誇りだ」と喜んだ。

変化球対応できる強さ
 羽生善治名人の話 乱戦の中、こちらも変わったことをやったが、城間さんは動じず冷静沈着だった。知識だけじゃなく、変化球に素早く対応できる強さがある。