低温、霜注意報 沖縄でも 気象台、基準設け発表可能に


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 沖縄気象台はこのほど、雪や低温に関する警報・注意報を見直し、沖縄地方に低温注意報と霜注意報の発表基準を設けた。これまで、沖縄地方では被害をもたらすような霜や低温が考えにくいとして、発表することのない注意報と位置付けていた。基準を設けたことで今後は、沖縄でも低温注意報と霜注意報の発表が可能となった。

10月9日から運用している。
 低温注意報は、低温により農作物や動物などに著しい被害が予想される場合に出される。霜注意報は、霜によって農作物に著しい被害が予想される場合に出される。大東島地方を除く県内全域での発表基準は最低気温5度以下、大東島地方は3度以下。
 ことし2月、関東甲信地方に降った大雪で、想定されていなかった場所に雪が積もったことを受け、想定外の事態に備えるため、全国的に雪や低温に関する警報・注意報を一斉に見直した。
 沖縄地方では1963年1月~3月に低温と霜による災害が観測されていたため、それぞれ基準が設けられた。当時の琉球気象台の資料によると、63年に最低気温2・9度を記録した久米島などで霜が観測されたている。農作物のみならず家畜や動物園の象なども凍死した。宜野湾市で1月の死亡者数が例年より多かったことから人体にも影響が出た可能性があるという。
 沖縄気象台は大東島地方で過去に3・5度まで気温が下がった時にも被害が確認されなかったとして、注意報の発表基準をほかの地方より低い3度以下とした。気象台は検討できる低温や霜の事例が少ないことから、今後は運用しながら見直し作業を続けるとしている。