神々しく切なく 沖縄交響楽団


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県内初演となるブルックナーの楽曲も演奏された沖縄交響楽団の第58回定期演奏会=9日、浦添市てだこ大ホール

 沖縄交響楽団(宮城茂光団長)の第58回定期演奏会(指揮・大勝秀也)が9日、浦添市てだこ大ホールであった。沖縄で初演となるブルックナー「交響曲第4番『ロマンティック』変ホ長調WAB104」などが演奏された。

 「交響曲第4番―」は4楽章で構成される。ホルンの伸びやかなソロで幕開けし、バイオリンの繊細な音色、そして徐々に金管、弦楽器が加わる。2楽章はバイオリンとビオラの伴奏とチェロの音色で始まる。悲しげな表情も顔を出す。
 3楽章はホルンの音色、駆け抜けるようなテンポの良さが印象的だった。作曲家、教会のオルガニストとして活動したブルックナーらしく神聖さ、神々しさを感じさせる交響曲は4楽章で盛大に締めくくった。
 そのほか、シューマン「ピアノ協奏曲イ短調作品54」では小沢麻由子(ピアノ)がソリストとして出演。小沢の奏でる音色と金管楽器の掛け合いのほか、ソロの音色も切なさを表現する。演奏を終えると拍手が鳴りやまなかった。
 数々のオペラを生み出してきた巨匠・ヴェルディの「歌劇『運命の力』序曲」も披露された。金管楽器、弦楽器、中盤にはクラリネットのソロが響く。終盤に進むにつれ、全楽器の合奏が会場を包んだ。