選択で変わる未来 劇艶おとな団


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「チョイス~選択~」を演じる(右から)当山彰一、上地季奈、安和学治=9日、県立博物館・美術館

 劇艶(げきしょく)おとな団(当山彰一主宰、安和朝彦団長)は8、9の両日、那覇市の県立博物館・美術館で現代劇「チョイス~選択~」(国吉誠一郎作)、「塩と味噌(みそ)と子守唄」(安和学治作)を上演した。両作とも当山演出。「チョイス」では16日投開票の県知事選挙を前に、自分の選択で未来が変わるというメッセージを込めた。

 「チョイス」はある研究者(学治)の前に未来の自分を名乗る男(当山)とその助手(上地季奈)が現れる。男は研究者が開発したシステムで未来の日本が混乱していると訴え、開発をやめるよう説得する。3人のコミカルなやりとりを軸に展開した。上地の声と演技が少し小さく、斎藤達也との格闘シーンも迫力がなかったのが残念だった。終盤は作品に込めたメッセージをやや強調しすぎている気もした。
 「塩―」は空き家を自分のものにしようとする輝夫(久高友昭)に息子(国吉)と妻(なかちかおり)が振り回される。欲望に正直でどこか憎めない輝夫は身近に1人はいそうなキャラクターだ。おとな団得意の沖縄らしい家族の物語となった。(伊佐尚記)