オペラと交響詩で魅了 R・シュトラウス生誕150年演奏会


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 「リヒャルト・シュトラウス生誕150年記念演奏会~2台のピアノとアンサンブルで巡るオペラと交響詩の世界~」が21日、県立芸術大学奏楽堂ホールであった。日本で上演機会の少ないオペラの楽曲を演奏するなど、出演者はドイツの作曲家・リヒャルトに感謝と敬意を表するように演奏した。

 出演は豊田喜代美(ソプラノ)、山内昌也(テノール)、仲本博貴(バリトン)。演奏は岡田光樹(バイオリン)、阿部雅人(ホルン)、根間安代(クラリネット)、潮平大作(ファゴット)、佐久間龍也(ピアノ)、大城伸悟(第2ピアノ)。
 演奏会は「楽劇『サロメ』作品54より『七つのヴェールの踊り』」は佐久間、大城の2台のピアノによる連弾で幕を開けた。時にゆったりと時に軽快に進み、終盤は小刻みに鍵盤上を跳ねる2人の指先が放つ音色が一つになり、見る者を引きつけた。
 「オペラ『薔薇の騎士』作品59より」では、山内、豊田が力強く、情感たっぷりに歌う。佐久間のピアノの旋律も優しく響き、哀愁を誘った。
 国内でも聴く機会が少ない「オペラ『影の無い女』作品65より」。仲本は伸びやかに圧倒的に、山内の熱のこもった歌声が会場を包む。序盤は仲本、豊田の激しい掛け合いで始まり、終盤にかけ、ピアノの静かな音色と仲本の声が響き、終了した。
 「交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』作品28」は岡田、阿部、根間、潮平、佐久間が登場。ホルンの行進曲のような音色から徐々にスピードを上げ、全ての楽器が軽快なテンポで重なり合う。その後もバイオリンの乾いた音色が響くと、駆け抜けるような爽快感を感じさせるテンポが観客の心をつかんでいく。一瞬の静けさの後、全ての楽器が激しくも繊細に音色を奏で、盛大に締めくくった。(大城徹郎)

「交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』作品28」を演奏する(左から)岡田光樹、佐久間龍也、潮平大作、阿部雅人、根間安代=21日、那覇市の県立芸術大学奏楽堂ホール
伸びやかな歌声を響かせる豊田喜代美(左)、仲本博貴