自然史博物館、沖縄と東北に 日本学術会議


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 日本学術会議は、化石などの自然史標本を継続的に集めて保全し、自然史研究の拠点となる「国立自然史博物館」を沖縄と東北地方の2カ所に設立する構想を26日までにまとめた。

国などに提言する「第22期学術の大型研究計画に関するマスタープラン」に設立方針を盛り込んだ。
 現在、自然史研究の拠点となっているのは国立科学博物館1カ所で、東日本大震災で東北地方の博物館が被災したことを教訓に、分散して設立する必要性が指摘された。震災復興と生物多様性の観点から、東北と沖縄を選んだ。
 構想に関わった松浦啓一国立科学博物館名誉研究員は「沖縄は海洋生物も豊かで生物多様性が高く、意義深い。優れた立地条件を持っている」と話した。琉球大学理学部海洋自然科学科の竹村明洋教授は「自然史関係の学術に携わる研究者やスタッフが県内では枯渇しており、人材育成も期待できる」と話した。
 プランは研究博物館と大規模野外実験施設などを備えた「国際珊瑚礁域生物多様性研究センター」の沖縄への設立も提言している。
英文へ→Science Council of Japan suggests setting up national natural history museums in Okinawa and Tohoku