事業所内保育所の認可化支援 県が施設整備費補助を検討


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 県内の7市町村が認可園への移行を予定している事業所内保育所計11カ所について、県が施設整備費用を一括交付金から補助できるように検討していることが4日までに分かった。

事業所内保育所は2015年度からの「子ども・子育て新制度」開始に伴い、一定基準を満たせば、市町村から認可され、運営費が支給される。県子ども生活福祉部は認可化に不可欠な施設整備に伴う費用の補助によって、認可化を後押ししたい考え。同部は、事業所内保育所の認可化が進めば、一定数の待機児童解消が見込めるとして、県が待機児童ゼロの目標年度とする17年度まで補助を継続したい考えだ。
 事業所内保育所は、企業が主に従業員の子どもを受け入れており、現行は認可外保育施設と位置付けられている。新制度では、従業員以外の子どもを一定割合受け入れる地域枠の設定、保育従事者の配置基準、一定面積以上の保育室や屋外遊戯場など市町村条例が定める基準を満たせば、市町村から認可が受けられる。
 同部によると、那覇、石垣、豊見城、宮古島、北谷、恩納、中城の7市町村内の事業所内保育所11カ所が、認可化を予定している。
 同部は来年度の当初予算から施設整備費を計上できるよう県財政課と調整している。11事業所以外の企業にも情報を提供し、認可化への移行を呼び掛けている。県は事業所内保育所の認可化によって、運営費補助による経営の安定や女性の就業継続、保育の質向上などにもつなげたい考えだ。
 同部によると11カ所の業種は医療法人、ホテルなど。うち少なくとも5カ所は新設される予定となっている。定員は11カ所で合わせて約300人になる見通し。同部の子育て支援課は「女性が働きやすい環境づくりにつながる。県が支援することで大きな効果が出ると思う」と話している。
 県によると県内の既存の事業所内保育所は約50カ所あり、業務形態に応じて休日や夜間保育など既存の認可保育所が十分にカバーできない部分を担っている。(高江洲洋子)

<用語>子ども・子育て新制度の事業所内保育施設への給付
 既存の事業所内保育施設(所)が従業員の子に加えて地域の子どもを一定枠受け入れるなどの要件を満たし市町村の認可が得られれば、新制度では公費の給付対象となる。国の試算では、19人定員(従業員枠14人、地域枠5人)の場合、給付額は年間約3160万円となる。