沖縄背負った25年 BEGIN


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結成25周年を振り返る石垣島出身のバンド「BEGIN」の(左から)島袋優、比嘉栄昇、上地等=那覇市天久

 石垣島出身のアーティスト「BEGIN」がことし、結成25年を迎える。節目の年を迎え、メンバーは「非常に勝手だが、自分たちが沖縄を背負っているんだとの思いでやってきた。25年はやはり早かったが、良い思い出の方が多い」と笑顔で振り返った。

 BEGINは比嘉栄昇(ボーカル)、島袋優(ギター)、上地等(ピアノ)の3人。1990年シングル「恋しくて」でデビューした。「僕たちがデビューした時はまだ沖縄の認知度が低かった。そんな中でどれだけやれるか試したかった」と当時の思いを語る。
 2001年には「歌にお祝いをしよう」と「第1回うたの日コンサート」が始まった。今では県内外のアーティストが出演するほどのイベントとなっている。毎年6月に開催する意義を「6月は沖縄にとって、重たい1カ月。大人も子どもも平和について考える。いろんな話を聞くと、戦争の時は歌う、踊ることもできなかった。戦争が終わった後は歌ったり、踊ったりできてうれしかったという話を聞いた」と語る。その上で「そこにスポットを当てるのは自分たちの役割だ。うたの日はあくまで明るく、どこまでもポジティブにいく。そういう思いで始まった」と話す。
 近年では南米でのコンサートも成功させてきた。「ポルトガル語しか話せない3世、4世のウチナーンチュが僕らの歌でエイサーを踊ったり、歌ったりしていた。不思議な感覚もあり、ありがたいと思った。たとえブラジルであっても沖縄の誇りはそこにあるんだなと感じた」と感慨深げに語る。
 結成25年を迎える15年について「楽しくなりそうだ。やはりライフワークのライブを中心に活動していきたい。新しいものを作り続けていくのがバンドの存在だと思うので、今後も新しい歌を作り出していきたい」と意気込みを語った。
 3月21日には石垣市中央運動公園で記念コンサート「BEGIN25周年記念音楽公園~石垣島で会いましょう~」を控える。一般発売は1月17日から。一般5000円、中高校生2000円。問い合わせはPMエージェンシー(電話)098(898)1331。(大城徹郎)