陸自レーダーに不安 住民「本当に安全か」 与那国で説明会


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 【与那国】防衛省は16日、与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備に伴い設置を計画する監視レーダーの電磁波について、人体に及ぼす影響や安全性などに関する説明会を与那国町久部良多目的集会施設で開いた。15日の町議会で配備の賛否を問う住民投票が来月22日に実施されることが決まったばかり。住民約100人が参加し「本当に安全なのか」と訴えた。防衛省と町共催などによる住民説明会は4回目で、昨年4月ごろに始まった駐屯地の造成工事以降は初めて。

 防衛省の担当者は監視レーダーに関し「電波法や電波防護指針などに適合するよう設置し人体に影響が生じないよう措置される」と説明した。
 最も近い民家までの距離が約190メートルなど集落に近接することに住民から不安の声が相次いだが、防衛省は高台にあるレーダーの電波は水平方向より下に向けて発射せず、住宅への影響は電波法が定める基準値を大きく下回るとし、安全性を強調した。
 専門家として登壇した電気安全環境研究所電磁界情報センターの大久保千代次所長は「リスクはゼロにはできないが世界保健機関(WHO)は健康への影響は確認できないと結論を出している」と指摘、リスクをどう考え基地を受け入れるかどうかは「皆さんで判断することだ」と述べた。
 「子どもへの影響が大きくないか」「安全という根拠は」などの質問にも「防護指針に基づけば安全と理解していい」と繰り返した。説明会後、外間守吉町長は「安心してもらえたのではないか」と話した。

沿岸監視レーダーが発する電磁波が人体に与える影響などについて質問する住民ら=16日、与那国町久部良多目的集会施設