基地が生物に悪影響 環境保全へ官民協力を 沖大講座研究者ら


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沖縄の自然環境保全に向けて報告した桜井国俊氏(左から2人目)、大浜浩志氏(同3人目)、吉川秀樹氏(同4人目)=24日、那覇市の沖大

 第520回沖縄大学土曜教養講座「自然・環境・生物多様性から問い直す21世紀の沖縄」(同大地域研究所主催)が24日、那覇市の同大で開かれた。研究者、行政、環境団体の視点から報告があり40人が参加した。名護市辺野古の新基地や高江ヘリパッド建設、世界自然遺産登録などの現状を踏まえ、行政と市民が「大切な自然を未来に残す」という目的を共有し、協働することの重要性を確認した。

 県環境部の大浜浩志統括監は、国内法が適用されない広大な面積を持つ米軍基地の存在による影響が沖縄固有の危機と指摘。生物多様性の長期的な悪化をもたらすと報告した。全国47都道府県中18自治体で定められる生物多様性や自然戦略の中で、米軍基地による危機を盛り込んでいるのは沖縄だけだという。
 辺野古埋め立て承認など県が進めてきた行政手続きを振り返った桜井国俊名誉教授は「県は国の代行機関ではない」と指摘。環境保全に向け、行政と市民が目的を共有することや協働する必要性を強調した。
 沖縄・生物多様性市民ネットワークの吉川秀樹代表も登壇した。