海、サンゴ「守り続ける」 児童が活動実践発表


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【名護】大手飲料メーカーなど計18社で組織する、企業連携による循環型産業を考える「JB環境ネットワーク会」のシンポジウムが22日、名護市の万国津梁館で開かれた。

シンポジウムは同会が沖縄のみで行う情報発信活動の一環で、ことしで7回目。同会の支援を受ける小学校のエコ活動発表や、識者による地球温暖化の現状などについての講演があった。
 シンポジウムでは県環境整備課が、2011年1~8月に県全体で8892立方メートルの海岸漂着物があり、ペットボトルは約7割が中国の物と説明した。海外漂着物に対する対策の一つとして、県は台湾の新北市の行政やNPO団体と合同調査を実施し、漂着ごみの減少に向けて交流を深めていくという。
 同会が環境活動を支援する小学校2校からの報告もあった。海沿いに位置する名護市立瀬喜田小学校の6年生らは海岸の漂着ごみの清掃活動結果を発表した。ポイ捨てに関する校内アンケートを実施したり、環境新聞を発行したりする啓発活動のほか、校区内や海岸清掃などの取り組みを実施してきたという。その上で「自然環境を大切に守り続け、関心を持ち続ける」などと決意を述べた。
 海に囲まれた本部町立瀬底小学校の5、6年生は「瀬底のサンゴを守るために」と題して、サンゴの生態系や温暖化による白化現象の状況を説明。研究機関の協力を受けて、自宅でサンゴの卵の観察にも挑戦したという。地球温暖化の原因となる二酸化炭素の現象に取り組むため、「電気をこまめに消すこと」などを実践していくという。
 環境ジャーナリストの富永秀一氏による基調講演「気候変動の巨大なリスク~後の世代に何を残せるか」もあった。富永氏は出席した各メーカー関係者には、エネルギーを消費するだけでなく、燃料作物などの栽培によって電力供給側になることなどを勧めた。

「自然を守り、関心を持ち続ける」と決意を語る瀬喜田小の児童ら=22日、名護市の万国津梁館
瀬底島周辺のサンゴの調査内容を発表する瀬底小の児童ら