琉大八重山芸能研究会 危機克服し発表会 部員減の中、歴史を継続


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第47回八重山芸能発表会で白保節を踊る仲島利奈さん(右)と石垣朋江さん=2月22日、うるま市勝連地区公民館

 【うるま】琉球大学八重山芸能研究会(比嘉拓未部長)の第47回八重山芸能発表会が2月22日、うるま市勝連地区公民館で開かれた。部員が5人まで減少し、長年続いた毎年の発表会開催が危ぶまれる中、今は活動を休んでいるメンバーなどの協力も得て10人の学生が石垣市白保の芸能を中心に華やかな舞台を披露した。会場には長年の“八重芸ファン”や、うるま市在住の部員の親戚など約60人が集まり、大きな拍手を送った。

 1967年に発足した琉大八重芸は、毎年八重山地域での取材、合宿、沖縄本島と石垣島での発表会を継続してきた。過去にはハワイ、東京、大阪などの県外公演も実施し、多い時期には40人ほどの部員がいたが、近年は少人数が続いている。
 昨年末までは発表会開催も危ぶまれていたが部員が一人何役もこなしながら、1時間弱の舞台を成功させた。比嘉部長=理学部2年=は「発表会ができたこと自体が夢のようだ」と興奮した様子だった。
 昨年は白保で夏合宿を行い、「白保節」や「真謝井戸(まじゃんがー)・ぼすぽう節」などを取材した。白保出身で白保節を踊った副部長の仲島利奈さん=教育学部2年=は「小さいころから聞いている曲だが、重厚な面を知ることができた」と話した。
 顧問の山里純一琉大教授は「八重芸のスタンスを崩さずに部員が頑張ってつないでくれた」と褒めた。
 練習場所を提供した中城村南上原自治会の富島初子会長は「舞台はとてもよかった。長い歴史を続けている学生に感動している。今後も続いてほしい」と述べた。
 うるま市公演は無料で行った。石垣島での発表会の予定はない。