「ラジオうちちみしぇーびるぐすーよー、今日拝(ちゅーうが)なびら(ラジオをお聞きの皆さん、こんにちは)」―。読谷高校3年の金城広弥君(18)が2月20日、那覇市のコミュニティーFM局「FMレキオ」のマイクの前で地元・読谷村波平のしまくとぅばを織り交ぜ、軽快なトークを繰り広げた。
しまくとぅばは家での祖父母の会話から耳で自然と覚えた。「自分をありのままに表現できる言葉」だという金城君は「下手でもいい。まずは(しまくとぅばを)話してみることが大切だ」と呼び掛けていた。
同局で毎月第4火曜日の午後6時から1時間放送されている、地域で頑張る高校生を中心に紹介する番組「ゆるやかネットワークをつくろう」の収録の一環。いつもは別の高校生が司会を務めているが、今回は「ラジオが好きで沖縄の魅力を発信したい」という金城君が特別に担当した。
金城君は4月から家庭科の教員を目指して愛媛大学教育学部に進学する。愛媛で新しく出会う人々に聞かせたいと最近から三線を始めた。リスナーから演奏のリクエストを受けて、当初は「ちんだみ(調弦)ずれているから今度ね」と渋っていたが、まだぎこちない腕前ながら堂々と安里屋ユンタを披露。収録を終えるとほっとした表情を見せた。