映像が語る島の悲劇 渡嘉敷中、戦後70年で平和学習


社会
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「集団自決」の証言ビデオを見ながら戦争と平和について考える渡嘉敷中学校の生徒=3日、同中

 【渡嘉敷】戦後70年に当たり、渡嘉敷村立渡嘉敷中学校(上原義弘校長)の全生徒18人は、社会科授業の一環として、渡嘉敷島での沖縄戦や「集団自決」(強制集団死)のビデオを観賞した。感想文を書くなど戦争と平和について自分なりの考えを持ち、命の尊さと恒久平和を希求した。

 生徒は、2009年8月13日にNHKが放送した「シリーズ証言記録 市民たちの戦争“集団自決″戦後64年の証言~沖縄・渡嘉敷島~」の録画ビデオを視聴した。
 番組では「集団自決」体験者で村住民の小嶺正雄さん(85)、大城政連さん(81)、大城正光さん(78)らが戦前の教育と住民の生活、日本軍の渡嘉敷島での陣地構築などや住民の「集団自決」の様子などを証言している。
 生徒は、約45分のビデオ視聴後に感想文を書いて先生に提出した。
 社会科担当の崎濱秀昭教諭を通じてNHK放送局に送り、5月3日再放送予定の同番組で生徒の感想文がエンドロール(終幕)で放映されるという。
 ビデオを見た1年の玉城風香さんは「戦争は愛する家族同士が殺し合うことになる」と話し、2年の東恩納郁弥君は「日本兵は住民を守らなかった」、また、3年の金城優希君は「集団自決の悲惨さが再確認できた。このことをずっと語り継いでいきたい」とそれぞれ感想を述べた。
(米田英明通信員)