妊婦喫煙で低体重児1.4倍 痩せた人もリスク


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妊娠前から初回妊婦健診までの母親の喫煙状況と出生児の平均体重

 喫煙している妊婦や痩せている妊婦は低体重児(2500グラム未満)を産むリスクが高い傾向にあることが、県が実施している妊婦健診と乳幼児健診のデータ分析事業で示された。

県は全国よりも高い県内の低体重児出生率の要因を分析するため、2014年度から分析事業を実施しており、17日に南風原町の沖縄小児保健センターで開かれた同事業最終報告会で、分析結果が報告された。
 分析結果は、事業を受託している東邦大学医学部講師の田中太一郎さんと同大院生の林友紗さんが報告した。
 12年度に妊娠届け出を提出した人が出産した子のうち低体重児の割合は9・8%だったが、喫煙する妊婦が出産した子のうち低体重児の割合は14%と、約1・4倍に上った。
 出生児の平均体重でも喫煙している妊婦の出生児は非喫煙者・禁煙者と比較して80グラム~100グラム程度体重が軽かった。
 妊娠中に喫煙していた母親の子どもは1歳半健診時で運動機能、視聴覚、言語、対人関係性・精神発達の4項目で何らかの発達の遅れを招くリスクが1・24~2倍に上ることも報告された。
 一方、妊娠前の体格指数(BMI)が18・5未満と痩せている妊婦からも低体重児が生まれる割合が高いことも報告された。BMI18・5未満で妊娠中の体重増加量が推奨値の9キログラム~12キログラムに満たなかった場合、低体重児が生まれる割合は、推奨値を満たした場合に比べ1・76倍~2倍となった。
 分析結果を受け県は15年度、妊婦やその同居家族に対する禁煙支援と、痩せている妊婦への適度な体重増加に重点を置いた保健指導をモデル地区の5市町村で実施する。