社会

やんばる林道訴訟、原告敗訴

判決後に裁判所から出てくる原告団=18日午後、那覇地裁

 国頭村内の県営、村営林道の開設工事は違法な工事だとして、自然写真家の平良克之さん(63)ら県内の市民グループが県知事を相手に公金支出の差し止めなどを求めた住民訴訟(沖縄命の森やんばる訴訟)の判決が18日、那覇地裁(鈴木博裁判長)で言い渡された。鈴木裁判長は公金支出の差し止めについて「支出されるという相当の確実性がない」として請求を却下した。既に支出した分の賠償については棄却した。

 訴訟の対象となっている林道のうち、村営を含む6林道は事業が休止されている。鈴木裁判長は休止路線について、環境保全対策や既設道路網を利用した作業道整備の可能性なども検討した上で開設するかどうかを判断するべきだとして「現時点で公金支出が相当の確実さをもって予測されるということはできない」として、訴えの利益がないとの判断を理由に却下した。
 訴訟では国頭村内の県営林道7本と村営林道1本、総延長約14キロの開設の是非が問われた。自然環境への影響や費用対効果などが争点となった。
 原告側の市川守弘弁護士は「休止していることを理由に却下しているので、県は判決を理由に工事を始めることはできない。実質的には原告の6割勝訴と言える」と話した。
 2009年9月の弁論で、県側が費用対効果の算出で根拠にするべき基礎資料を所有していないことが明らかになった。県は10年に再算出し、いずれも基準を満たしているとした。しかし「利用区分のゾーニング(区域分け)実施や、住民理解を得るため」として未整備路線について休止を県公共事業評価監視委員会に諮った。【琉球新報電子版】