脳脊髄液減少症に上限100万、7割助成 西原町提案


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 【西原】2012年に西原町の小学校で起きた事故で男子生徒が脳脊髄液減少症を発症したとみられる問題を受け、上間明町長は23日、町議会の全員協議会に対し、開会中の3月定例会に提案する「脳脊髄液減少医療費等の助成に関する条例案」の内容を説明した。

条例案では、医療保険の適用外となっている「ブラッドパッチ療法」を受ける町内の中学生以下の児童生徒に対し、年間100万円の上限を設けた上で、医療費と渡航費を合計した額の7割を支給する。
 町は24日に条例案を追加提案する。町議会は、新川喜男議長を除く議員18人による特別委員会を設置して25日に集中審議し、26日の最終本会議で採決する。議会内には全額補助が必要とする意見もあり、助成額や損害賠償をめぐる町の対応などが議論になりそうだ。
 脳脊髄液減少症は、交通事故やスポーツ事故の転倒などによる衝撃で脳脊髄液が漏れて減少し、頭痛やめまいといった症状を引き起こす。治療には、硬膜外腔に自分の血液を注入して漏れを止める「ブラッドパッチ療法」があるが、保険適用外のため多くの患者や家族にとって経済的な負担となっている。
 条例案は学校での事故に限らず、全ての発症者を対象にする。助成金の交付期間は治療を開始した日から10年間とし、男子生徒が治療を開始した2013年8月にさかのぼって適用できることとする。
 生徒への救済策をめぐっては、昨年の12月定例会で治療費を無利子で貸与する「町学校災害医療費等資金貸付支援条例」を可決したが、(1)学校管理下の事故には10割を給付・補償(2)期間は治療から10年めど-などの付帯決議を付けていた。